Scabland
 
Takanobu Sawagaki
 
in englishin japanese
メニュー
Contact
Takanobu Sawagaki Ph D
::Contact::
Counter
Today
Yesterday
Total
From 2005/04/01

全行程図 -Lake Lewis南部 〜 Grand Coulee-

5日目

5011s.gif
Map

本日はChanneled Scablandの目玉“Grand Coulee”を遡る一日.今回の調査旅行のハイライトである.

P5020001s.jpg朝,シアトル方向に,“Mount Adams”がよく見える.
GrandviewとMabtonの間のMabton Canalにかかる橋の脇の露頭で,13,000 yr B.P.という年代が出ているMount St. Helens ash (Set-S)(Mullineaux, et al., 1975: USGS J. Res. 3,3)の露頭に寄る.

P5020009s.jpgこの火山灰は,Missoula Floodsの発生年代を示すのみならず,Scablandが水から解放された時期があったことを示す重要な証拠になっている.しかし,日本の火山灰を見てきた私には,この火山灰の産状は,どうも水つきのようにみえて仕方がない.

5012s.gif
Map

Sunnysideで241号線に入ってコロンビア川に向かって北上し24号線に出る.これがコロンビア川を横切るところで大きなバーをみる.

P5020022s.jpg

P5020037s.jpg243号線に入って,Wanapum Damでジャイアントリップルのあるバーをみたり,果樹園の美しい防風林をみたりしながら通過.

Desert Airsで遅い朝食.

5013s.gif
Map

立派な橋のところで90号線と合流し,さらに283号線でEprataに向かう.一旦17号線で南東に向かってGrand Couleeの左岸にのる.ここはRocky Foad Creekという地域で巨レキの散在地帯となっている.これらの巨礫は,Dry Fallsを形成した時の洪水が落ち着く過程でできた扇状地堆積物(Ephrata Fan)であると考えられている.この巨礫のサイズを見るだけでも,洪水の規模が尋常でなかったことがうかがえる.下右はMars Passfinderが送ってきた火星のTwin Peaks地域の写真であるが,両地域の景観は非常に良く似ている.

P5020048s.jpgP5020045s.jpgtwin-peaks.jpg

P5020009as.jpgP5020014s.jpgSoap Lakeから282-17号線を北上するとLenore Lakeがある.この周辺では,Couleeの両壁のスカイラインが波打っていることがわかる.これは,Couleeの外側の平坦地がハンモッキーであることを示す典型的な断面形態を示している.

その先のLakeview Parkの辺りで左岸からの支流の出口に堆積物がつまっているのがみえた.

そしていよいよ本命のDry Fallsだ.

0502-15161718ps.jpg

P5020034s.jpgじゃじゃーん.これがDry Falls ()の馬蹄形状部分の全貌.高さはナイアガラ滝の2.5倍.幅は約5倍の規模.Bretzは,これが洪水時のわずか数日〜数週間でできたと主張した.Shaw教授は,このすぐ北西にあったOkanaganローブからの氷底水流の排出が効いていたはずだと考えている.

位置的に考えると,はるか遠くのMissoula湖を考えるよりは近くのOkanaganローブのほうが合理的ではある.

約13000年前の復元図が展望台に掲示されていた.

Dry Fallsの壮観な眺めを堪能した後,2号線ですぐ上流のDamを渡って155号線に入り,Steamboat Rockに出る.

P5020041s.jpg

湖の上にうかぶ岩の姿はまさに蒸気船そのもの.しかし,Dry Fallsのすぐ上流にダムができるまでは,この周辺は乾いていて農耕が行われていたほどで,そのような状態で蒸気船を想像するには無理があるように思える.インディアンがこの岩に舟を連想してきた伝統があるというのなら,この地域が自然水に浸かった時期があることを示唆することになり面白いのだが,そういう伝説も聞かないということだ.そもそも蒸気船は文明の産物なので,Steamboat Rockという名がついたのは,ダムができてから後の可能性が高い.なんだかつまらないなあ.

P5020050s.jpgP5020046s.jpg

湖畔の堆積物を観察.ここにもRhythmiteが堆積している.ここで特徴的なのは,varv層が赤っぽい色と緑っぽい色の層に分かれていることで,赤い層が緑の層の下位にあって,砂層の直上に来ることである.Shaw教授は,この違いは粘土物質の供給源の違いを反映しているものと考えており,Missoula湖からの水流かOkanaganローブからの水流かという問題を解決する決め手になる可能性を秘めている.現在,成分を分析中ということなので,結果が楽しみ.

P5020052s.jpgP5020054s.jpgその後,日没と競争での上まで登る.なんとこの岩の上にもScablandのミニチュアがある.また,の記述によると,Okanaganローブのターミナルモレーンもあるということだったが,日没が迫ってきたので詳しく見てまわることができなかった.

Grand Coulee Damの近くのGrand Coulee泊.


この記事の1行目に飛ぶ
前
Day 4
カテゴリートップ
Field Trip
次
Day 6

Copyrights © 1995-2019 T.Sawagaki